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元日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)・カルロス・ゴーン被告が、関西国際空港からプライベートジェット機に乗りレバノンへ逃亡した。
ゴーン被告は、「レバノン」、「ブラジル」、「フランス」と多重国籍を有しているようだ。
(カルロスはブラジル在住のレバノン人の両親の子で生まれながらの二重国籍者。さらに当時国有企業だったルノーの取締役に就任するためフランス国籍を取得。フランスで高等教育を修了しているので事実上無審査で帰化可能。フランスは多重国籍を認めているので前の国籍を放棄する必要がない。https://finance.yahoo.co.jp/money/experts/questions/q11199585381)
プライベートジェットのセキュリティー体制にいくら甘い面があったとはいえ、これほどまでに簡単に、警察や検察が大物を逃がすなんてことがあり得るのだろうか。
警察や検察がゴーン被告を積極的に逃したというわけではないと思うが、あえてスキをつくったのか? と思えるほどの失態である。
智謀に長けたゴーン被告が逃げるとすれば、どのような手段で逃げるかぐらいは想定できるのではないか。
逃げるとは露ほども考えなかったのだろうか。
ゴーン被告自身が保釈されるときに「GPS付けなくていいのか?」と尋ねたようだが、GPSを付けなくても、これほどの大物であれば普通監視をするだろうし、防犯カメラ等も入念にチェックするだろう。
ゴーン被告が日本と犯罪人引渡し条約が結ばれていないレバノンへ逃げてしまえば、ゴーン被告を日本の法律で裁くことは難しくなるかもしれないが、逃げてくれれば保釈金の15億円は没収となるし、ゴーン被告だけでなく、フランスのルノーの立場もますます悪くなる。
ルノーが日産を吸収合併するなどという話もあったようだが、もともとルノーのCEOでトップにいたゴーン被告が、このような有り様であれば、合併など認められるはずもない。
少なくとも、ルノーの人間であったゴーン被告が、このような逃亡劇を起こしたことはルノーにとっても、ルノーの筆頭株主であるフランス政府にとっても不名誉であるに違いない。
日産がルノーとの提携を解消するという話も漏れ伝わってきているが、実際に解消することはなかったとしても、このゴーン被告の逃亡はルノーにとって引け目となり、お互いの関係において、日産よりも優位に立つことは難しくなるのではないか。
言うなれば、ルノーは、結果的に、日産に貸しを作ったのである。
これからルノーが独自に継続的に利益を上げていけば話は変わってくるかもしれないが、日産の力がなかったらルノーも順調に利益を上げることはできないだろう。
いくらゴーンが「日本の司法制度が悪い」、「日本では公正な裁判が受けられない」と述べ立てていても、ゴーン自身の罪が消えるわけではない。
保釈中に逃亡すれば、どこの国で逃亡を図ったとしても逃亡犯になる。
しかも、ゴーン被告は、マネーロンダリングをしていたという話も聞く。
そのために、ルノーもフランス政府もゴーンをかばいきれなくなったようだ。
結果的にゴーンは、レバノンから他国への渡航が禁止となり、自由に他の国へ行き来ができなくなった。
レバノンは政情が不安定な国らしく、大統領が変われば、ゴーンの身柄が今後どうなるかもわからない。
ゴーンもレバノン国内にいるだけでは退屈でしょうがないのではないのか、という話もある。
ゴーン被告には、日本の法律で裁かれるよりも悲惨な未来が待ち受けているかもしれない。
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